「誰かの“愛”が、必ずしも救いとは限らない——。」
そんな問いを胸に抱いたことはありませんか?
映画『愛されなくても別に』は、毒親との関係に苦しむ女子大生が、新たな出会いによって自らの人生を切り開こうとする青春逃走劇です。
南沙良と馬場ふみかの共演による繊細で力強い演技が話題の本作。
公開日、キャスト、あらすじ、原作情報まで網羅的に解説します。
果たして彼女たちは、“本当の自由”を手にできるのでしょうか?
『愛されなくても別に』のすべてを、この記事でチェックしてみてください。


公開日・キャスト、その他基本情報
2025年7月4日(金)に全国公開される映画『愛されなくても別に』は、南沙良主演による青春ドラマです。
原作は、武田綾乃の同名小説で、第42回吉川英治文学新人賞を受賞した作品です。
監督は、カンヌ国際映画祭に短編作品が出品された経験を持つ井樫彩が務め、脚本も井樫彩とイ・ナウォンが担当しています。
公開日 | 2025年7月4日(金) |
---|---|
キャスト | 南沙良、馬場ふみか、本田望結、基俊介、伊島空、池津祥子、河井青葉 |
監督 | 井樫彩 |
原作 | 武田綾乃『愛されなくても別に』(講談社文庫) |
脚本 | 井樫彩、イ・ナウォン |
配給 | カルチュア・パブリッシャーズ |
年齢制限 | - |
公式サイト | https://aisare-betsuni.com/ |
本作は、毒親との関係や若者の葛藤を描いた作品で、現代社会における家族や自己の在り方について深く考えさせられる内容となっています。
原作『愛されなくても別に』について
映画の原作となる『愛されなくても別に』は、「響け!ユーフォニアム」シリーズで知られる小説家武田綾乃による作品です。
講談社から刊行され、第42回吉川英治文学新人賞を受賞するなど、文芸ファンから高い評価を得ている本格派青春小説です。
原作情報
本作は、親からの愛が常に正義とは限らないという問いをテーマに、母娘関係、若者の孤独、そしてシスターフッド的な連帯を描き出しています。
「愛されたい」と「自由になりたい」の間で揺れる主人公の姿が、リアルで痛切なタッチで描かれています。
あらすじ
主人公・宮田陽彩(みやたひいろ)は、母親に金銭的な援助を強いられ、大学に通いながらも過重なアルバイトと家事に追われる日々を過ごしています。
表面上は暴力や暴言のない家庭ながらも、「愛している」という言葉で支配される日々。
そんな彼女が、同じバイト先で出会った大学の同級生・江永雅(えながみやび)との交流を通じて、初めて自分の人生を取り戻そうとする様子が描かれます。
見どころ
本作の最大の見どころは、南沙良と馬場ふみかの繊細な演技によって描かれる、不器用ながらも心を通わせていく二人の少女の関係性です。
陽彩と雅という異なる背景を持つ女性たちが出会い、それぞれの痛みや孤独に向き合いながら、自分の意思で人生を選ぼうとする過程が、静かでありながらも強い余韻を残します。
また、毒親や性被害といった社会問題に正面から切り込むテーマ性も重要なポイントです。
過激な描写に頼らず、日常に潜む違和感や感情のずれを丁寧に描く演出によって、観る者に深い共感と思考を促します。
監督の井樫彩は、心の機微を見逃さない演出で知られており、本作でも小さな表情や沈黙の間にキャラクターの心理を表現しています。
感情を大声で叫ぶのではなく、抑制された演技と演出でじわじわと迫るドラマは、見る人の胸に深く刻まれるはずです。
原作を読んだ人の感想(ネタバレなし)
原作『愛されなくても別に』は、多くの読者の心に静かに深く突き刺さる作品です。
特に、「親の愛」とは何か、「自由を得る」とはどういうことかをテーマに据えており、読後の感想も非常に共感性の高いものが多く見られます。
おすすめの視聴者層
『愛されなくても別に』は、感情や人間関係に敏感な人ほど強く共鳴する可能性がある作品です。
そのため、以下のような方々には特におすすめしたい映画です。
- 親子関係に悩んだことのある方
- 「毒親」や「家族の呪縛」などのテーマに関心がある方
- リアルで繊細な人間ドラマを味わいたい方
- 南沙良や馬場ふみかの演技を評価している方
- 青春文学・フェミニズム文学に興味のある読者
本作は、若者が抱える現実の苦しみを描きつつ、そこに救いや希望の兆しを提示しています。
そのため、「自分だけが苦しいのではない」と感じたい人や、感情に寄り添ってくれる物語を探している方に特におすすめです。
まとめ
映画『愛されなくても別に』は、単なる青春物語ではなく、家族、愛情、自己決定といった普遍的かつ重層的なテーマを扱う作品です。
毒親との共依存関係を背景に、若者が「自分の人生を選ぶ」ことの難しさとその希望を描き出します。
主演の南沙良、共演の馬場ふみかによる繊細な演技が、原作の世界観を豊かに体現。
原作ファンはもちろん、まだ原作を読んでいない方にも、物語の深みとリアリティを感じ取っていただけることでしょう。
映画を見る前に原作を読めば、より深い感動と共感が得られるはずです。
ぜひ一度、武田綾乃の原作小説『愛されなくても別に』を手に取ってみてください。


コメント